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映画:風俗行ったら人生変わったwww~「呼べるホテルつれづれ」~

公開日: : 「呼べるホテル」つれづれ

GYAOの無料映画で公開していたのをたまたま見つけ、以前ネットで流行っていたのを思い出し視聴してみたところ…
nisiuchi

風俗行ったら人生変わったwwwとは??

後ろに草(www)が生えていることからも分かるように、ネット発祥のラブストーリーです。初出は、2011年10月インターネット掲示板2ch「ニュー速VIP+」にて29歳童貞であるスレ主「遼太郎」さんが建てたスレッドが大いに盛り上がり拡散した結果、多くのまとめサイトが立ち、書籍化・映画化・マンガ化されると言う流れとなりました。「風俗」というソソるキーワードに目を惹かれて覗いてみると、意外にエロい要素は少なめながら、波乱の展開と心地よい結末を迎える、さわやかな読後感さえ感じられる良作です。ネット発のラブストーリーで、書籍化・映画化・マンガ化(ドラマもありましたが)し流行した「電車男」になぞらえ、「第2の電車男」と呼ばれたりもします。同じように2ch上で展開した両作ですが「電車男」がスレ主のリアルタイムの恋愛行動に、ネット住民がアドバイスしたり励ましたりしながら進行して行ったのに対し、「風俗~」はスレ主の体験は1年前に完結しており、後日まとめたものを連続してアップした、と言う点では相違があります。そんなところから、当初から創作説も囁かれ、さる歴史好きのAV監督、という具体的な作者像の指摘もあります。ともあれ創作を実体験のように語るのは、ネット上ではよくあることですから、そこに突っ込むのも野暮と言うものでしょう。少なくとも面白いお話を無料で楽しめる上、一種の連帯感・一体感さえ味わえるのですから…。
takagi

結論から言うと…

※ネタバレになりますので、あらすじ・具体的な突っ込み所は後半にて…
久々にひどい映画を見た気がしました。私は無料視聴でしたが、映画館で見た人にはお気の毒と言うしかありません。何と言うか…登場人物に、誰一人として共感できないのです。エキセントリックでわがままでバカな人ばっかり…北野武監督作アウトレイジのキャッチコピーは「全員悪人」でしたが、こちらはさながら「全員馬鹿」と言った風情なのです。俳優陣は決して悪くないのです。皆さん熱の入った良い演技をされていましたから、偏に脚本・演出がおかしいのでしょう。基本コメディタッチで話は進行、それは良いのですがちょいちょい差し挟んでくるギャグがことごとく寒い…更に「多分良いシーンとして描いたんだろうな」的なシーンが更に輪をかけて寒い寒い…。特に後半の凄まじさは特筆モノです。
面白いのは(映画の内容では無くて事象が…)、ネット上での映画批評ページでは、少しでも原作を知っている方は総じて不満を感じている様子で、★5個中一つと言う方が非常に多い印象です。逆にそこそこの点数を付けているのは、原作(或いは本?)を見ていない、言わば初見の方が多く、タイトルに「風俗」と付く割にどぎつくない、みたいな感想や「佐々木希が風俗嬢を演じているから+1」「そしてかわいいから+1」と言う理由が多く見られるのが、この映画を物語っているとも言えます。劇中佐々木希ちゃんは脱ぐわけではないのですが、下着でフェラチオっぽい動きをする所とか、ラストでパンチラする所が見どころ、と言えるのかも知れません。

※この先ネタバレします!
ayukawa

原作版あらすじ

映画のひどさを具体的にあげるため、原作の簡単なあらすじを紹介します。
登場人物
俺氏:主人公。29歳ニート暦ありの社会人。163cm自称ブサメン。童貞(当時)。吃音癖あり。歴史好き、司馬遼太郎ファン。
かよ:19歳の風俗嬢(ホテヘルと思われる)。佐藤かよ似。主人公より背が高い(170)。優しくてノーと言えない性格。天然。
晋作:主人公の親友。27歳。大阪在住。本職の他にネットトレーディングで億単位の稼ぎがある。コミュ力高。由来は高杉晋作。
ガリガリ:かよの元カレ。元大学生の遊び人。
スカウト:かよに風俗を斡旋した人物。
あおい:高級ソープ嬢。

さる理由から童貞を何とかしようと思う「」は、ある日デリヘル(厳密にはホテヘル)に行って「かよ」と言う嬢に出会う。初対面時にかよのあまりの可愛さに過呼吸を起こしぶっ倒れてしまい、何も出来ずに終わったが、その時の優しく的確な対応が忘れられず、指名して通うようになる。得意分野の歴史の話をしながら、「話してるだけで楽しいから(つまりは惚れてしまった)」と本来のサービスを受けようとしないを気の毒がったかよは電話・メール交換を提案してくれた上、プライベートで呑みに行ったりするようになった。それまで女との交流など全くといって良い程なかった童貞の俺だったが、会うごとに気心が知れ、普通に話せるようになって行った。ますますかよに惹かれる俺。同時に、好きになってしまったかよ風俗嬢であることに何とも言えないやりきれなさ・葛藤も覚えるようになる。

そんなかよが風俗勤務を始めるきっかけとなったのは、元カレ「ガリガリ」の作った借金300万円の返済のためだった。ガリガリは大学サークルで知り合い、レイプまがいにかよの処女を奪い、なし崩し的に付き合うようになった男で、ギャンブル・女遊びが激しいダメ男である。突然いなくなりしばらく音沙汰が無かったが、と会うようになった時期と前後してストーカー気味にかよに付きまとうようになった。ガリガリと対峙し、何とか撃退、今後かよには近づかないよう話はまとまった。更に絆が深まった気がする

とは言え借金は未だ50万ほど残っていた。それを一気に解消するべく、かよにしつこくAV出演を勧めてくる男がいた。ガリガリから紹介され、かよに風俗勤めを斡旋したと言う「スカウト」である。AV出演はしたくないが、スカウトに何らかの恩義といくばくかの信頼を持っていて、なかなか断りきれないかよ。思い余ったは数少ない友人「晋作」に相談する。

晋作はSNSの司馬遼太郎コミュで意気投合し交流を深めている大阪在住のデキる男(ただし初音ミク廃人)。歴史と言う共通の趣味でウマが合い、お互い何度も行き来している気心の知れた仲である。実は童貞云々で風俗に行こうと思ったのは、彼が「今度は吉原に行きたい」と言い出したから、その予行演習のためだったのだ!

観察眼が鋭く、物事の奥底を見極められる晋作は、スカウトガリガリが結託していて、かよからお金をむしっている、と推察する。加勢のため上京する晋作ガリガリを問い詰めると、果たしてその通り、ガリガリの借金に目をつけたスカウトが、かよを陥れていたと判明、証言を得る。同時に刑事告発すればブタ箱行き確定級の証拠も入手し、スカウトと対決する晋作。当初強気だったスカウトも、刑事告発にはビビり上がり、AV出演はチャラ、更に今までかよを搾取していた分+風俗に落とした等の慰謝料として多額の現金まで奪取することに成功する。
かくして借金が無くなり、自由を手に入れた(+結構な金額を入手)かよは告白し、見事成功。

だがその夜晋作がとんでもない事を言い出す。当初の約束通り、吉原ソープに行こうというのだ。果たしてはどうするのか…

大分はしょりましたので伝わりにくいのですが、実際に読んでみると会話形式の部分に「俺」の心情の変化・成長ぶりが感じられ、読ませる内容となっています。実は最後のソープのくだりに結構考えさせられるものがあり、タイトルの言わばダブルミーニングがそこに仕込んでありますので、興味のある方は実際に読んでいただくことをお勧めします。

風俗行ったら人生変わった

ayanami

ダメポイント

さて、映画版の具体的にひどいところをいくつか列挙してみましょう。

①主人公の設定・描写

本来主人公は、低身長・ブサメン(自称)で過呼吸・吃音が出ることもありコミュ障気味と言う設定ですが、適度に知性的で歴史に対する知識が豊富、描写はあまりありませんが普通の生活は送れています。一方映画版では、見た目こそ結構なイケメンですが(女優満島ひかりさんの弟です)、外出しても無人証明写真機に入れずに電柱の陰に隠れると言う、いくら何でもあり得ないだろう、とオープニングから見せてくれます(悪い意味で)。かよが連絡先を教えてくれるくだりも、原作では来店の度に歴史の話をして親しくなり、3回目で交換するのですが、映画版ではスタンプカードのハンコが増えていく映像で回数を表し(ここにも「面白い演出でしょ?」的な臭さを感じますが)6回目位に唐突に連絡先交換と言う流れになるのです。その間主人公が何をするかと言えば、かよに怯えるように逃げ回る描写があるくらいで、何で心が通じたのかさっぱりわからず、傍から見て単なる挙動不審にしか感じられないのです。自分が嬢なら、いくらイケメンでもそんな奴に連絡先を教えたりはしません!こんな感じで主人公のダメなところのみ強調され、終盤まで「成長」と言うものが見えてきません。最後の最後にトンデモな行為に出る所は成長、と言えるかも知れないのですが…。

②ネット住民の登場

第2の電車男」とも言われる本作ですので、その雰囲気を出したかったのかも知れず、また原作の登場人物が少ないから増やさなきゃ、と言う事情もあるのかも判りませんが、主人公にはネット上でチャットをする愉快な仲間たちがいると言う設定が加わりました。食堂で一人食事をするシーンで、その周りを彼らが取り囲み色々話しかける等、普段の生活の中でも彼らが脳内イメージ的に登場するので、最初は主人公の内面に潜む数々の人格?とか思っていたら、実在の人物たちでした。判りにくくあまり意味の無い演出です。原作ではチート的な大活躍をする晋作君も、途中までは彼らの中の一人と言うモブ的扱いでした。それぞれキャラが立っていればまだ救えるのですが(売れっ子女流作家、クソ生意気なJK等一部見られはしますが総じて不快)、みんなそろって主人公をはやし立てたり罵ったりするだけで、全く共感できないウザい存在にしか見えないのが困りものです。終盤では一致団結して大作戦(笑)を決行するのですが、それぞれの性格なり特技なりを生かした活躍をするかと言えばさにあらず、みんなレンタルビデオ店員に扮してウソ情報を話すだけと言う…。もう少し何とかできなかったのでしょうか、と言いたいです。

③不愉快な演出

心底イラッとしたのが、落ち込んだ主人公がピザを頼んだ時の配達員(谷村美月さん)の態度です。状況としては、一人ぼっちなのに友達を呼んでみんなでワイワイやってる所にピザを頼んだ、と言う態にしたかったので、わざわざテレビの音量を上げたり、玄関にサンダルを並べたりして人が集まっているように装うのですが(こんな必要以上の主人公sageもどうかと思いますが)、これを見抜いた店員が「こんなことして情けないねえあんた!」的な罵倒を叩き付けるのです。客商売でこれはあり得ませんよ。普通そう思っても口に出しゃしないでしょう。いや、お話ですから通常ありえないシチュエーションがあっても構わないんです。ただし感動的なとか、爽快感あふれる局面とかでならまだしも、ひたすら不愉快な場面を作り出す効果しか生んでいないように感じてならないのです。ラストシーンへの布石ではあるのですが、もうちょっと上手く料理できなかったのかな、と言う…。そう感じると言うことは、それだけ谷村さんの演技が迫真だったとも言えるのかも?

④クライマックスの改悪

原作の言わばラスボスは、ガリガリの借金に絡み、その美貌の彼女かよを陥れたスカウトでした。純真な天然少女のかよを悪辣に騙して挙句AVにまで売ろうとしていた許されざる人物ですので、晋作(と俺)がそれを見抜いた上で外堀を固め、知識・経験・度胸で追い込むと言う、ナニ金・ウシジマくん等にも通じる逆転劇に、読者は共感しカタルシスを感じることができたのです。晋作君がいささかパーフェクトすぎる感も否めないのですがwww。
一方映画での彼のポジションに相当するのは、ガリガリが借金をした街金のオヤジです。かよの借金をチャラにするために映画版晋作の立てた計画とは、仲間を総動員してオヤジをおびき出した上、事務所に侵入し契約書を他のもの諸とも吹き飛ばしてしまうと言うものでした。彼は(違法金融かもしれませんが)ガリガリに金を貸しただけで、特段かよを騙したり、陥れようとしていた訳では無く、あまつさえコワモテではありますがちょっと間の抜けたお人好しなので、彼にトバッチリが行くのは何とも理不尽でモヤっとする展開でした。しかも、実際には契約書が無くなっても契約自体が消える(借金がチャラになる)訳はありませんし、不法侵入や器物損壊など数々の違法行為をしでかしているのは主人公サイドと言う、何の意味も無い自己満足な活躍をしただけの間抜けな行為に見えるのです。協力者の皆さん(チャットのゆかいな仲間たち)は最後に楽しくピザパーティをしていましたが、警察に踏み込まれるのを覚悟するべきだと思いました。

他にも、主人公とかよの身長差というポイントが生かされていない、ちゃちで田舎sageの回想演出、意味不明のキョンシー押し等ダメな点を数え上げればキリがありませんが、近年まれにみる失敗作と感じました。私は特に原作厨という訳では無いつもりなのですが、それをもって余りある不愉快ポイントがたくさんありましたので…。口幅ったく言うと、何かこう弱者(主人公)に対する視線が冷え切っているように感じるのです。繰り返しますが、役者さんは熱演されてるのです。彼らが頑張れば頑張るだけ不快になる映画、と言うのもある意味珍しい存在なのかも知れませんね。

関連動画:映画『風俗行ったら人生変わったwww』予告編

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